授業や実験・演習を公開しています!
研究テーマ紹介
1. セキュリティ

ログを画像にしてシステムの異常検知をする研究
背景
近年、目立たないよう静かに進行する高度なサイバー攻撃(APT攻撃)が増加しています。被害を防ぐには攻撃の兆候の段階で気づくことが不可欠ですが、異常なログの数は非常に少なく、従来の教師あり学習では十分な検知精度が出せない課題がありました。また、既存のルールベースや機械学習では誤検知が多い点も問題となっています。
研究詳細
本研究では、ログの意味や特徴を保持したまま画像に変換し、平常時の画像のみをオートエンコーダと呼ばれるAIに学習させるアプローチをとっています。 オートエンコーダは、入力された画像をそのまま復元(再構成)するように学習する技術です。
- 平常時のログ画像を入力した場合: 学習済みのため、入力された画像とそっくりながずを生成できます(=正常)。
- 未知の異常ログ画像を入力した場合: 学習したことのないパターンのため綺麗に生成できず、入力と出力に大きな差が生じます(=異常)。
この生成の成功・失敗を見ることで、従来の技術では見落とされていた微細な攻撃の兆候を早期に発見することを目指しています。

BEYONDを用いた仮想環境におけるソフトウェア更新の検証支援システムに関する研究
背景・課題
サーバの継続的なソフトウェア更新はセキュリティ確保のために不可欠ですが、ソフトウェア更新によってバージョンの不整合や互換性の問題でサービスが止まることがある。
実運用環境とテスト環境の全く同じ構成の2つの環境がある場合は先に影響を確認できるが、そうでない場合にいきなり本番環境を更新して止まってしまうことがある。その場合、ユーザがサービスを利用したいときに利用できず、可用性が低くなる。
提案研究
以下の機能を持つ検証支援システムを提案する。
1. 既存のセキュリティ対策支援システム「Beyond」の一部機能を用いて、対象のシステムに存在する脆弱性を特定する。その脆弱性に対応するパッチを収集する。
2. 仮想環境で運用されているシステムを複製する。その複製されたシステムに対して1で収集したパッチを当てることで、影響を先に確認できるようにする。
2. AIアプリ

グループワークにおける会話から個人の参加度を評価する研究
課題・背景
学校では、グループワーク形式の授業が多く行われています。しかし、成績はグループ全体の成果で評価されることが多く、一人一人の取り組みが成績に十分に反映されない場合があります。そのため、あまり活動に参加していなくてもグループに恵まれて高い成績をとる人がいる一方で、積極的に取り組んでいても、その努力が成績に反映されない人が生まれ、成績評価への不満につながることがあります。しかし、先生が一人で複数のグループを見て回り、全ての学生の活動や参加状況を正確に把握することは簡単ではありません。そのため、一人一人の取り組みを公平に評価する方法が求められています。)
研究の詳細
私の研究では、グループワーク中の発言を記録しておき、全ての発言を役割に分類した上で、発言量や役割の分布から個人の参加度を評価するシステムを開発しています。まず、発言とその役割をセットでAIに学習させることで、新しい発言が入力されると、AIがどの役割に当てはまるかを自動で分類します。次に、発言量や役割の割合と成績をセットで別のAIに学習させることで、新しいグループワークの会話データが入力されても、役割分類の結果をもとに学生の活動への参加度を評価します。これにより、個人の取り組みを反映した、より公平な成績評価を目指しています。

AIエージェントを使って全員にとって無理のない予定調整をするシステム
背景
現在,AIエージェントの活用が進められており,近い将来には1人1エージェントを活用する日が来るはずです.AIエージェントとは,アプリやシステム,さらには音声や映像などを常に監視し,分析します.そして,分析した結果をもとに自律的に動作をするソフウェアのことです.この研究では,そのAIエージェントを予定調整に応用します.
研究の詳細
メールやカレンダーなどを監視・分析し,定期的に入りそうな予定や不定期に入りそうな予定を予測します.その結果は未来カレンダーに入力され,AIエージェント同士の予定調整に利用します.予定入力を依頼されたエージェントは,未来カレンダーをもとに予定の入力がOK,NG,または調整可能かを判断し,依頼してきたエージェントと交渉します.これを繰り返すことで,お互いに無理のない時間に予定を入力します.

銀行業務における融資審査をAIによって支援する研究
課題・背景
香川の第一銀行である114銀行は、地域のための融資を目指しています。しかし、銀行の融資判断では、財務情報などの定量的な情報を重視するため、地域や企業が持つ定性的な価値を十分に反映できない場合があります。また、判断が担当者個人の知識や経験に依存しやすいという課題もあります。そのため、地域への貢献度なども考慮した融資判断により、さらに地域に根付いた融資を目指しています。一方で、そのような融資判断を行うには、従来よりも柔軟な判断が必要となるため、判断の根拠を明確に示し、関係者が納得できる意思決定が求められています。
研究の詳細
複数のAIエージェント(マルチAIエージェント)を用いて、それぞれが異なる視点から企業や地域に関する情報を収集・分析・議論します。財務情報だけでなく、地域への貢献性や企業の特徴などの定性的な情報も考慮することで、各AIの意見を統合し、多角的な視点を取り入れた融資判断を支援します。これにより、判断の根拠を明確に示した、地域貢献性も考慮した納得感のある意思決定を目指します。また、融資判断に至るプロセスを可視化することで、新入社員の教育支援への活用も期待できます。

漫画画像データから小説を生成するマルチモーダルAIの開発に関する研究
背景
近年はAI技術が発展してきいて画像・文字・音声など異なるデータ形式を統合的に処理するマルチモダールAIが注目されている。
日本が世界に誇る文化「漫画」は画像と文字が融合したマルチモダールなメディアであり、AIを使った分析等の先行研究も盛んに行われている。
しかし先行研究では画像と文字の両方を統合的に解析することはできておらず、セリフの抽出や話者特定にとどまっている。
研究
そこで今回はマルチモーダルAIを利用し、漫画を画像と文字の2つデータ形式の組み合わせてとして統合的に処理し・解析を行い、
それを基に小説を生成する漫画小説化AIを開発する。
システム
システムの構成としては以下の通り
①漫画から画像と文字データをそれぞれ抽出
②1のデータを基にAIによる漫画の分析(キャラの心情、画面状況等)
③2のデータを使い、小説を生成
3. レコメンド

普段読むジャンルとは異なるが、自分の好みに合った小説を推薦する推薦システムの研究
課題
小説には恋愛、ミステリー、ホラーなど多くのジャンルが存在します。しかし、読者は好みのジャンルに偏って読書を行う傾向があり、新しいジャンルの作品に触れる機会が少なくなっています。その結果、新たな作品との出会いが減少し、読書の幅が広がりにくくなります。一方で既存の推薦システムでは過去の閲覧履歴や購入履歴に基づいて同じジャンルの作品を推薦するため、同じジャンルの小説が推薦され、読者のジャンルの偏りの解消にはつながりません。
研究の詳細
小説のあらすじの類似度が高いもの同士を結んだグラフを構築し、このグラフ構造をAIによって学習します。その際、おすすめしたい本とおすすめには適さない本との違いを学習することで、ジャンルではなく内容の類似性を捉えられるようになります。これにより、異なるジャンルであっても内容が類似した小説を推薦することが可能となります。ユーザーは好きな本のタイトルを入力するだけで、その本とはジャンルが異なるものの内容が類似した小説の推薦を受けることができます。これにより、楽しみながらこれまで読んだことのないジャンルの小説に触れることができます。
4. スポーツ

理想のフォームを反映した 競泳映像生成システム
背景
皆さんはトップ選手の真似をしたことはありませんか?僕は競泳をしているのですが、トップ選手、特に北島康介選手の泳ぎを真似したいと思っています。しかし、北島康介選手の映像だけだと把握しづらく、真似しにくいと思います。その為、トップ選手のフォームで泳ぐ自分の映像が生成するシステムを開発することで把握しやすくなり、真似がしやすくなると考えました。
研究の詳細
この研究はダンスでは既に存在します。この仕組みは自分の骨格画像と対応する自分の画像をAIに学習させ、骨格画像から自分の画像が生成できるようにします。学習したAIを用いて自分の骨格画像を入れるのではなくプロの骨格画像を入力することでプロの動きで踊る自分の画像が生成できるという仕組みです。
これの競泳版を作るのが私の研究なのですが、競泳映像においては骨格検出が難しいのと生成が難しい課題があります。
骨格検出ではダンスの映像とは違い、横向きであったり水中で泡やゆがみが発生してしまい人が認識できないので骨格検出が難しいです。
生成は水中環境や発生する泡のの再現が難しいです。
これら課題を解決するためにまず、コンピュータが水中映像における人物を認識できるように画像処理を用いて人だけの画像を作ります。その後、従来技術を用いてフォームを反映させます。これだと人しか反映できないです。そのため、水中環境を再現するために従来技術と同じように人物だけの画像と実際の競泳画像をペアで学習させ、人物画像から競泳画像へとへんかんできるように学習させます。このAIを用いて人物画像から水中画像を生成します。
このようにしてできた画像により、理想とする選手のフォームで泳ぐ自分の映像が生成できると考えています。

歩容認証技術を応用してサッカーの映像から選手を特定する研究
背景
スポーツアナリティクスという分野をご存じですか?この分野はスポーツを分析し、パフォーマンスの向上や勝利を目指すことを目的としています。その中で、サッカーにおいては選手の位置情報を追跡した「トラッキングデータ」というものを使った分析が広く取り組まれています。映像から「トラッキングデータ」を生成するには、映っている選手を識別する必要があります。そこで現在主流なのが、「顔認証」による識別です。しかし、この方法では、顔がはっきり映るほどの高解像度カメラが必要であり、とてもアマチュアが容易できるものではありません。
研究
そこで、私の研究では「歩容認証」という技術を応用して、低解像度の映像からでも選手が識別できるトラッキングデータ生成システムを開発します。「歩容認証」は、人それぞれ違う「歩き方」を基に個人を識別する技術であり、必要な解像度が顔認証と比較して低いです。これにより、アマチュアでもトラッキングデータの生成が可能となり、スポーツアナリティクスを広く普及させることができると考えています。
内容
まず、映像内の選手の歩行シーンを抽出し、「歩容認証」による識別をします。そのために、約10000人の歩行データを学習させたAIを開発します。同時に、「物体追跡」という技術を用いて選手の追跡をします。こうして取得したデータは、画面内での座標であるため、実際のコート上の座標に変換するために、コートの検出とデータの変換処理をします。このようにして、従来方式よりも低解像度で選手を識別可能なトラッキングデータ生成システムの実現に向けて研究しています。
5. インフラ

AIエージェントに特化した開発基盤の開発
課題・背景
最近、指示されたタスクを自ら考えて実行してくれるAIエージェントが注目されています。
しかし、長時間仕事をさせたり時間が経ったりすると、内部の情報や状況が変化してしまい、徐々にタスクの成功率が下がってしまう「ドリフト」という不具合が発生することがあります。
これを修正するには、ドリフトが発生した本番環境と同じ状況を作って確かめる必要がありますが、従来の開発基盤ではドリフトした瞬間の複雑な状態を再現できませんでした。
最初からタスクをやり直すにしても膨大な時間がかかってしまい、効率的にドリフトの原因を見つけて修正することが難しいという課題がありました。
研究の詳細
研究における開発基盤では、チェックポイントという仕組みによって、AIエージェントのドリフトをいつでも再現できるようにします。
まず、AIエージェントが処理の途中でエラーを起こさないタイミング(思考の区切り)を見極め、その瞬間のデータや状態を自動で保存します。
次に、ドリフトが発生した際に開発者が「どの時点に戻したいか」を指定すると、保存したデータから開発環境へ一瞬でその状態を復元します。
これにより、最初からタスクをやり直すことなくドリフトが発生した状況をそのまま再現できるため、原因の究明や修正にかかる時間を大幅に短縮します。
6.PBL

神戸親和大学 × 香川大. AIを用いた旅行アプリ ”TabiConnect”




